Q.01 肝臓病にはどのようなものがありますか?

A.ウイルスにより引き起こされる肝臓病は、A型・B型・C型・D型・E型・G型肝炎やEBウイルス肝炎があります。

また、肥満や過度の飲酒により引き起こされる脂肪肝やアルコール性肝障害、自己免疫性疾患に分類される自己免疫性肝炎という病気もあります。そして、それらが進み引き起こされる肝硬変・肝臓がん等があります。

Q.02 お酒と肝臓の関係について教えてください

A.お酒の成分であるアルコールは、胃・小腸で吸収され、肝臓へと運ばれます。そこで酵素によりアセトアルデヒドに分解され、さらに酢酸に分解され、最後は炭酸ガスと水になって息や尿という形で体外へ排出されます。

アルコールの飲み過ぎにより肝臓の処理能力を超えてしまった場合は、肝臓内に中性脂肪がたまってしまいます。これが脂肪肝です。

毎日大量にアルコールを摂取しますと、肝臓は絶えず働き続け、休むことが出来ずにだんだんと傷んで、アルコール性肝障害の可能性を高めていきます。アルコールの大量摂取とは日本酒に換算して毎日3合以上を5年以上飲み続けることです。

最初は脂肪肝となり、その後もアルコールを大量に長年に渡り摂取し続けますと、肝臓の細胞は死んでしまい、その周囲は線維化しだして肝線維症となります。この状態が肝臓全体に及びますと肝硬変となります。肝硬変にまで至ってしまいますと回復することは期待できません。

Q.03 A型肝炎とはどのようなものですか?

A.糞便中にあるA型肝炎ウイルスが口から入って感染します。日本では魚介類(とくに牡蠣)の生食によって感染する人が多いのが特徴です。

潜伏期は2~6週間で、発熱、倦怠感などに続いて、食思不振、嘔吐などの消化器症状を伴います。ほかに黄疸、肝腫大、濃色尿、灰白色便などを認めます。まれに劇症化して死亡する例を除き、1~2カ月の経過の後に回復します。慢性肝炎に移行することはありません。

Q.04 B型肝炎とはどのようなもので、治療法は?

A.B型肝炎ウイルスは血液を介して感染します。その感染経路には、「垂直感染」と「水平感染」があります。

垂直感染は、お母さんから子どもにうつる母子感染です。水平感染は、性行為・輸血・臓器移植・刺青・針刺し事故等による感染です。

B型肝炎ウイルスに感染した場合、多くは無症状で経過しますが、20~30%が急性肝炎を発症し、1~2%が劇症肝炎化します。

劇症肝炎にならなかった急性肝炎は、2か月ほどで良くなります。急性肝炎から慢性肝炎に移行することはほとんどありません。ただし、ウイルスの種類の中には、持続感染となる可能性が他より高いものがあります。

母子感染の90%以上は、B型肝炎ウイルスに持続的感染を呈する場合が多く、これを「キャリア」と言います。

このキャリアのうち約10%の人は慢性肝炎を発症し、肝硬変、肝臓癌へと進行する危険性があるとされています。

キャリアの方の経過で、ポイントとなるのが“セロコンバージョンです。セロコンバージョンは、自己の免疫機能によってB型肝炎ウイルスに対する抗体が体内でつくられウイルスの活動が押さえ込まれるため、肝炎が沈静化し、無症候性キャリアとなります。

しかし実際には、セロコンバージョンが起きた後もウイルスが増殖を続け、肝炎が進行し、肝硬変や肝臓癌に移行する人もいることが、最近わかってきました。したがって、キャリアの方はたとえセロコンバージョンが起きた後でも、定期的に肝臓の検査を受けるようにしてください。

抗ウイルス治療の基本は、以前はインターフェロンでしたが、核酸アナログ製剤の登場によって治療成績が改善してきています。

Q.05 C型肝炎とはどのようなもので、治療法は?

A.かつては輸血後肝炎と言われていましたが、約半数の患者さんは感染原因が不明です。昔の予防注射や覚醒剤などでの注射針の回し使い、手術用メスや医療器具などの消毒不足、刺青や鍼(はり)治療などによるだろうと考えられています。母子感染や性行為による感染の可能性もありますが少数です。

感染後肝細胞内でウイルスが増殖しますと、ウイルスに感染している肝細胞が破壊され、急性肝炎を発症します。

この急性肝炎から慢性肝炎に移行する率は約70%と高率です。慢性肝炎持続の場合、約60%が肝硬変へと進展し、肝硬変後は年間7〜8%が肝細胞癌を発症します。

治療は、インターフェロン療法ですが、最近の「ペグインターフェロンとリバビリン」の併用療法により、約半数の人がウイルスを完全に排徐できるようになっています。

Q.06 肝硬変とはどのようなもので、治療法は?

A.肝臓での炎症が続き、肝臓の細胞が破壊されると、組織が線維状になり、肝臓が小さなこぶを作っていき(結節化)次第に硬くなります。この状態のことを肝硬変と呼びます。

一度肝硬変になってしまいますと、正常な肝細胞の数が激減し、正常な肝臓の状態に戻ることは期待できません。

肝硬変には代償性肝硬変と非代償性肝硬変と呼ばれる二つの時期があります。

代償性肝硬変は、正常な肝細胞がある程度残っており、残された肝細胞により肝臓の働きがまだ保たれている時期を指します。この時期は無症状のことが多く、知らない間にさらに次の非代償性肝硬変に進んでしまうことがあります。

非代償性肝硬変は、多くの肝細胞が壊され、残された肝細胞では、肝臓の働きが十分にできなくなってしまった状態を言います。また、黄疸・腹水貯留・食道静脈瘤・貧血・出血傾向・意識障害など、全身にさまざまな障害をもたらします。

治療法は、代償性肝硬変は、これ以上肝機能が悪くならないよう肝細胞を守る治療、いわゆる肝庇護療法です。

非代償性肝硬変では、これに加えて、合併症の治療が必要となります。

Q.07 脂肪肝とはどのようなもので、治療法は?

A.脂肪肝は文字どおり肝臓に脂肪が蓄積した状態を指します。この場合の脂肪とは、主に中性脂肪です。

原因は、アルコール多飲・肥満・糖尿病などです。

初期には症状はありません。血液検査や腹部エコー等でたまたま見つかることがほとんどです。進行するにつれ、倦怠感・食欲不振・右上腹部痛など、肝炎と同様の症状が出てきます。

アルコール性脂肪肝に関しては、Q2を参照してください。

最近注目されているのは、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)です。肥満や糖尿病などが原因のNAFLDは、線維化を起こさないと最近まで言われてきました。

ところが、このNAFLDの中の約1割が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に進むことがわかってきました。NASHは、肝硬変から肝がんへと進む可能性があります。

NASHは、アルコール性脂肪肝と同じく初期には症状がありません。

治療は、食事療法・運動療法です。糖分・脂肪分を減らし、摂取カロリーを抑え、適度な運動を行うことが大切です。

ただし急激に体重を落とそうとすると、かえって脂肪肝を悪化させてしまうことがあり、注意が必要です。

Q.08 肝臓がんとはどのようなもので、治療法は?

A.原発性肝がんと転移性肝がんがありますが、ここでは原発性肝がんの90%を占める肝細胞がんのお話をします。

肝細胞がんの主な原因は、B型肝炎ウイルスもしくはC型肝炎ウイルスの持続感染です。日本では、肝細胞がんの80%がC型肝炎ウイルス、15%がB型肝炎ウイルスと考えられています。

慢性肝炎から肝硬変を経て肝細胞がんに至るケースが多いですが、肝炎からいきなり肝細胞がんを発症するケースもまれではありません。

治療法は、手術でがんをすべて取り除く方法が最優先されます。

しかし、肝臓の機能が弱っている人は、手術が受けられない場合があります。 また、手術ではがんがすべて取り除けないと判断された場合は、ほかの治療法となります。

それらの場合は、内科的治療で肝臓がんを治します。具体的には、マイクロ波凝固療法、ラジオ波凝固療法、エタノール注入療法、凍結療法、肝動脈塞栓療法、抗がん剤治療等があります。

肝臓がんにはあまり有効な抗がん剤が無く、これまで抗がん剤治療は動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を入れて肝臓に直接注入するのが一般的でした。しかし最近、ソラフェニブトシル酸塩(商品名ネクサバール)という分子標的治療薬と呼ばれるお薬が開発され注目されています。欧米では奏効率40%とも言われ、非常に効果が高い薬です。日本でも重篤な副作用が出ないように注意しながら、慎重に使用が開始されています。

Q.09 肝炎治療を受けると医療費の助成を受けられると聞きました

A.B型・C型慢性肝炎、B型肝硬変、C型代償性肝硬変の方で、インターフェロン治療ないしは核酸アナログ製剤による治療を受ける方は、医療費の助成が受けられます。

インターフェロン等の治療は高額になりますが、助成を受ければ、自己負担が月に1万円ないしは2万円に抑えられます。

お近く(管轄内)の保健所で申請できますので、詳しくはそちらでお聞きください。

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